ベンチャーだから転職で給与下がるの当たり前、に感じる違和感


週明けくらいからベンチャー転職で失敗しないために知っておきたい10か条というスローガンさんが書かれているブログがベンチャー界隈で働いている人の中で結構シェアされています。

 

スローガンさんは前職でもお世話になっていましたし、ベンチャーに特化して新卒や中途採用支援を10年以上行なっており、本当に多くの方を見てきているので一般論としておっしゃっていることは基本的に共感、なのですが、ベンチャーで働く人、特に創業期からいたり経営陣ほど「ベンチャーに転職=給与下がるのが当たり前」とややなっている風潮があるなーと思っていて、そこには違和感があって。。

 

あくまで個人の意見なのですが、一応創業期のベンチャーで従業員としても働いていた過去があり、かつ現在創業直後のベンチャー経営者として感じている違和感について書いていきたいと思います。

 

 

そもそも、チャレンジとお金はトレードオフなのか?

 

 

 

「ウチはまだベンチャーなので給与は安いです。お金じゃないと思ってくれる人が欲しいです」ということをおっしゃる人事や経営者の人によく出会います。

気持ちはわからないでもないんですが、この言葉は個人的に違和感を感じます。

 

 

それは「チャレンジすること、とお金はトレードオフである」ということが前提にあるから。

 

 

大企業やコンサルにいた人がいままでの自分のキャリアを捨てベンチャーにチャレンジしよう、ベンチャーで勝負しようと思ってくれることは素晴らしいことだと思うのですが、だからといってお金のことを我慢しない人はチャレンジする権利がない、ということなのか。逆にお金のことを気にしないと言い切れる人だけにチャレンジして欲しいということなんでしょうか。

 

もしかしたら本音として「お金のことはとやかく言わず働いてくれる人がいい」と思っている人もいるのかもしれませんが、ベンチャーにとって重要なのは「優秀」で「会社を成長させてくれる人」かどうか、というもっとも大事な点が抜け落ちているように見えることが違和感だったりします。

 

ベンチャーの採用を手伝っていると、

「条件交渉してくるような人がウチに合わない」とか「ウチは年収低いので、年収希望が高いと選考通せない」というような場面に出会ったことが何度も。。(しかもべらぼうな年収ではなく数十万とかだったり)

 

そんなことで採用可否を決めずに、しっかり面接をし、本当にきて欲しければ

 

「会社としていま事業がこういう状況で申し訳ないがまだ◯◯円くらいしか給与は払えない。でもあなたがきてくれたらもっとこうなるから来てくれないか」

 

と普通に精一杯真摯にお願いしたらいいのに、とすら思います。

 

こうやってお金のことにこだわりすぎ、お金の話をする=ベンチャーに向いていない人、という構図になってしまうのは違うのかな、と感じています。

 

 
 

創業メンバーや経営陣の自分たちも給与下げたから、という前提

 

 

 

上記のようになってしまう前提として、創業メンバーや初期にいたメンバーからすると「自分は年収下げてリスクとった、だからみんなそれが当たり前」というのもあるのではないか、と思います。

 

確かに本当に会社としてヨチヨチ歩きのタイミングで入ってくるような人はリスクも大きいでしょうし、年収が下がってでもチャレンジしたいと思って入ってきている人も多いでしょうから、気持ちとしては理解できなくもないです。

しかし、会社として事業が成長してきて、「いざ採用だ!」となっているステージに会社があるのであれば、やはり考え方も変わってくるべきかなと思います。

 

ベンチャーは1年経ったら状況はどんどん変化していくもの。

 

そんな変化していく中で、「自分たちも下げたんだし、下げない人はありえない」と思い続けていること自体がよくない状態かなとも思います。

 

 

よくいただく質問、相談でも

「最初に入っていた人とあとから入ってきた人だと、最初の人の方が上司なのに年収が低い状況が起きてしまうので、中途採用で年収高く提示できない」

 

と言われることがあります。これも「自分たちが下げた、もしくは低いんだからあとから入る人も低い」という前提に基づいている話かな、と。

このような問題の解決としては年収を下げて採用する、のではなく、歪みの原因となっている最初からいた人の年収を見直す、そもそもの評価制度を構築しなおす、というステージにきたのだということを喜べる思考が健全なのかなー、と思ったりします。

 

 
 

ベンチャーだから、ではなく考えていないからでは?

 

 

最後に1つ。

 

そもそもですが、ベンチャーだから給与安い、というのは言い訳でしかないなと個人的には思っています。(私自身もそう思ってしまいそうになりますが。。。)

 

ベンチャーだから安い、のではなく、まだ給与を上げてあげられるほど事業が成長していない、キャッシュがないから安いのです。

実際にベンチャー、特に創業間もなかったり事業がまだ立ち上がりきっていなかったりすると会社として売り上げも少ないですし、キャッシュもないので給与を高くすることは不可能に近いです。なのでそれはしょうがないというかその段階で給与を無駄にあげてしまう会社は逆にやばいです笑

 

ただ、ベンチャーといわれる会社の中でも事業は順調に成長し、キャッシュもある会社でも「ウチはベンチャーだから転職してきて給与下がるよ」という会社が意外と多い。。。要はベンチャーだから、というのを言い訳に従業員の待遇を改善しよう、活躍してくれた社員への還元や、会社が成長した還元を社員にするための工夫や思考が止まっている証拠なのではないかな、と。

 

 

ユニコーンとして大注目のメルカリさんは「評価すべき人材なら資金調達をしてでも報酬を払う」と言っており、実際に働いている友人に聞いても確かにしっかり評価されている人は報酬もらっています。これを「ウチはベンチャーだから給与低いよ」と思考停止したまま拡大していたら、今のメルカリのように優秀な人が次々集まる土壌は作れていなかったのではないか、と思っています。

 

メルカリさんだけではなく、優秀な人が次々集い、成長しているベンチャーの多くは「正当な評価」をとても大事にしてる会社が多いな、とも感じています。ベンチャーだけれども優秀な人、成果を残している人は正当に評価し、それなりの給与を払っていたり、します。(もちろん転職時にしっかり評価できるスキルがある方には入社時からしっかり年収提示しています。)

 

 

 

ただ、もちろんそういうことをするには事業が急成長したり、それによって資金を潤沢に調達できたりしないといけません。それ自体が簡単なことではないですし、そこに私も悪戦苦闘しているわけですが、だからといって「ベンチャーだから給与下げて入ってきて」にはならないはず。

 

「給与下がるのはしょうがない」ではなく「それでも優秀な人に正当な給与を払ってでも来てもらうためにはどうしたら?」と考え、制度設計や採用を行える会社が強いのだろうな、と。(そのためには事業成長が必須で、それ自体が難しいのは重々承知なんですが…そんな簡単に会社は伸びないですからね…それでもやはり給与安いままでいいはずはないので)

 

 

 

 

優秀な人がどんどんベンチャーにチャレンジし、成果をあげた人、力がある人がそれなりの報酬をもらえるようにする、それによってベンチャーという場所が「チャレンジし、貢献したら報われる場所」になっていく未来の方が個人的には素敵だなと思うので、そういう会社を作っていきたいな、と思っています。

 

 

 

本日は以上です。

 

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