【対談企画】日比谷尚武さんと議論する、きれい事抜きのリモートワーク論


今回、日比谷尚武さんを招いて対談企画を実施してみました。
日比谷さんはコンサルタントとして、私は経営者として柔軟な働き方を推進しているわけですが、それぞれ異なる立場から見た働き方改革の実情と課題を議論しました。

日比谷 尚武氏
2003年、株式会社KBMJに入社。取締役として、会社規模が10名から150名に成長する過程で、開発マネジメント・営業・企画・マネジメント全般を担う。
2009年よりSansanに参画し、マーケティング&広報機能の立ち上げに従事。並行してOpenNetworkLabの3期生としても活動するなど、各種コミュニティ活動を行う。

現在は、コネクタ/名刺総研所長/Eightエヴァンジェリストとして社外への情報発信を務める。並行して、株式会社PRTableエバンジェリスト、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会広報委員、一般社団法人at Will Work 理事、ロックバーの経営も務める。

 

リモートワーク導入は進んでいる?進んでいない?

石倉:
日比谷さんは、at will workやSansanなど、働き方の多様化を促進する組織に複数所属されていますよね。様々な現場を見られているなかで、日本での働き方改革って実際進んでると思いますか?

日比谷さん:
働き方を多様化しようとする動きはあるものの、現状は首都圏に限定されている印象ですね。地方で働き方改革をテーマとしたIT導入セミナーをやる機会がありましたが、リモートワークの話をしてもポカンとされる方が多い。

業種や業態、年齢層など様々な背景があると思いますが、まだまだアナログなところが多く、ようやくITツールの導入を検討しているという話も聞きます。
昔ながらの経営スタイルで長年運営されてきた企業にとっては、これまで全く触れてこなかった仕組みを導入するには、ちょっとエネルギーが必要ですよね。

石倉:
地方だとまだまだそういう状況ですよね。本来、リモートワークは地域関係なしにできるものなんですが・・・。
私が経営するキャスターと働き方ファーム合わせて社員が420名在籍していて、全員がフルリモートで働いています。東京組は稀で、地方在住のメンバーが中心です。

日比谷さん:
東京の企業がリモートワークを導入して、地方の雇用を創出しようとしているケースは増えていますよね。

絶大なメリットがあるのに、リモートワーク導入を嫌がる経営者が多いのはなぜ?

日比谷さん:
あと、セキュリティ面での不安があるから導入できないという声も多いですよね。

石倉:
よく聞きます。ただ、正直そう話される割には基本的なセキュリティ対策ができていない企業が多い印象です。
リモートワークでもオフィス勤務でも、セキュリティ面で気を付けなきゃいけないことはそれほど変わらない。実際に取引開始して業務をしてみると弊社の方がセキュリティレベルが高いことの方が多かったり笑

多分、リモートワーク=セキュリティが危うい、、となんとなく思っているだけ、なんだろうなと。

日比谷さん:
確かにそうかもしれませんね。でも、採用難の今だからこそ、働き方を多様化すれば確実に人材を集めやすくなります。明確なメリットがあるのに、なぜ多くの経営者はリモートワーク導入を嫌がるんでしょう。

石倉:
社員の「行動」を重視しているからでしょうね。時間通りに出社しているかとか、昼休憩はきっちり1時間以内におさめているか、とか。勤勉に働いている=優秀だと評価する経営者はまだまだ多い。
あと、リモートワーカーに対するイメージが偏っているのもあるかなと。移住や育児など、制約があってフルタイムの出勤が難しいというだけで、能力には全く関係ないんですよね。
優秀な方はたくさんいますし、逆に優秀な人しかリモートワークできないということもない。

ただの選択肢の一つであるべきなのに、イレギュラーな働き方と捉えている経営者はまだまだ多い。
とはいえ、数年前に比べれば着実に増えてきている感じはしますね。

日比谷さん:
私もそう思います。ただ、リモートワークを導入したは良いものの、課題にぶつかってうまく運用できていない企業が多い。

リモートワーク導入企業に起こりがちな「ビデオ会議によるコミュニケーション不足」

石倉:
私自身はリモートワークを運用するうえでの課題はあまり感じないんですが(笑)、日比谷さんが目の当たりにした課題ってどういうものなんですか?

日比谷さん:
一番は「コミュニケーションの目的や質に鈍感である」という問題ですね。

例えば、1人がリモートワーク、その他のメンバーが出社してビデオ会議する場合。リモートワーカーだけ、表情やちょっとした間などのニュアンスが伝わりづらくなってしまうんです。
せっかくカメラを設置していても逆光で表情が見えなかったり、全員が映っていなかったり。女性だとカメラに写りたがらない方も多い。それだとビデオ会議の意味があまりないですよね。

会議は人間関係構築とか、テキストを通じたロジカルな情報伝達目的以外に、ニュアンスとか温度感も伴った情報交換の場としての側面もある。逆に言えば、ただの情報伝達だったらチャットやメールで済むわけです。
だから、ビデオ会議をする際に、対面に比べるとどうしても劣ってしまうのは仕方ないとしても、、顔が見えなかったり、細かいトーンが伝わらないような音声環境でやりとりするのは意味がないと思うんです。

石倉:
なるほど。リモートワークを導入するのであれば、会議というかコミュニケーションに対する認識を変えていく必要がありそうですね。
弊社の場合はチャットベースでのコミュニケーションが中心でそもそも会議があまり必要ない組織作りをしています。

会議は人間関係構築の場ではなく、日々のコミュニケーションの補完の場として機能させていて。

テキストでも頻繁にコミュニケーションを取っていれば、それほど齟齬が起きることはないんですよ。齟齬が起きてもコミュニケーション量でカバーできるし。
弊社の場合、オンラインチャットで全ての会話を行うのでかなりコミュニケーションが活発です。総量でいえば一般企業よりも全然多いんじゃないかな。

あと、情報格差を生まないために、情報の透明性は高く保つように心がけています。基本、社内のチャットグループは社員全員が見られるようにしています。

コミュニケーションを会議に依存させないために、オンラインでのオープンコミュニケーションと情報の透明性を保つことが重要だと感じていますね。

リモートワーク不可避の状況に備えて「訓練日」を設けるべき

日比谷さん:
リモートワークを機能させるためには、組織の仕組みを変える必要があると。

石倉:
そうですね。誤解されがちなんですが、リモートワークがうまく機能していない場合、大体はリモートワーカー側ではなくオフィスで働く人側に問題があることがほとんど。

だから、どの会社も一度全員リモートワークで働く日を設けてみたらいいんじゃないかなと思います。防災訓練のように、「リモートワーク訓練」を実施するとか。そうすることでリモートワーカー側の状況を嫌でも理解できますし。
対面で仕事しない分、オペレーションの課題や属人化しているポイントも明確になるので、業務改善にもなりますよ。

日比谷さん:
それいいですね!周りの知り合いに勧めてみようかな。


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